2008年5月31日土曜日

お客様を裏切り続ける営業になりましょう!

 研修にご参加頂いた方からこんなメールを頂きました。

 “参加するまではあまり期待をしておりませんでした。「営業セミナーなんて”通り一辺倒なもの”だろう」と思っておりました。しかし、講義が終わった後は「これだけ盛りだくさんで貴重なモノを、自分ひとりだけが聞いただけでよいのだろうか?」と思い、今後、他の営業や上司へも強く参加を勧めていく予定です。”

 ほんとうに嬉しいですね。こちらこそ、真剣にご参加頂き、本当に有り難うございました。

 期待を越えると言うこと。本当に難しいことだと思います。しかし、どんな仕事であれ、それがプロの仕事だろうと思います。いつもそうありたい。自分への戒めです。

 「お客様の期待に応える」のは当たり前。それでは他社との競合には勝てません。期待を越えること。その知恵と工夫こそが、勝負の決め手です。

 じゃあ、どすれば「越えられるか」です。研修に参加した人は、もうおわかりだと思います。
 そう、お客様のWantsではなくNeedsに応えること。お客様の「ほしい」に応えるのではなく、どこに真の原因があるかをさぐり、それに応えること。「そうなんですよ!それなんです。それがほしいものなんですよ。」とお客様に気付かせてあげましょう。
 ちょっと楽しくありませんか?それが、期待を越えるための第一歩です。

 値引きや“サービス“と称するおまけで勝負するのではなく、お客様の期待を「裏切り続けること」こと。そうすれば、お客様は何かあれば、先ずあなたに相談したいと思うでしょう。これこそが、他社にはない差別化のポイントです。戦う前に勝負は決まってしまいます。

 さて、今日はどうやってお客様を裏切りましょうか。営業という仕事もなかなか楽しいものですよ。

2008年5月29日木曜日

「俺の若い頃はなぁ」という自慢話。時代が変わったことに気付いていない人

 初めての「ソリューション営業プロフェッショナル養成講座」が、無事終了致しました。ご出席頂いた皆さん。二日間、おつきあい頂いて本当にありがとうございました。

 つたない経験ながら、私なりに積み上げてきたノウハウを集大成したつもりです。ただ、実際に講義を始めて見ると、こうすればよかった、こんな資料があるともっとわかりやすいのでは・・・と反省しきり。次の講義では、さらに内容をバージョンアップ。よぉ~し、もっと洗練した内容にしよう!とほのかな闘志を燃やしています。

 コメントやご評価、ありがとうございました。概ね「目的を達成できた」とのご評価。安心しました。自分で実践してきたこととはいえ、所詮は私個人のノウハウです。どこまで受け入れて頂けるかと心配していたのですが、「すぐに実践に活かしたい」「やる気になってきた!」「営業という仕事の奥の深さを理解できた」などなど、勇気づけられるコメント。お役に立てたことを喜んでいます。

 今回は、テキストだけではなく、いろいろな帳票類やチェックシート、著書「ソリューション営業プロフェッショナル・バイブル」をお渡しするという大盤振る舞い(笑)総ページ数は、300ページにも。 というのも、ここで学んで頂いたことを日々の現場に定着させて頂きたいと思ったからです。

 「研修で学んでもなかなか定着しない。」そんな悩みを抱える人材開発のご担当者も多いようです。「いい勉強させていただきました」で終わり、次の日からはいつも通りでは、なんとももったいない。

 「こんなにノウハウを出してもいいのでしょうか?」というコメントも頂きましたが、いいんです!ノウハウなんて使って頂けなければ、何の役にも立ちません。皆さんなりのノウハウでさらに使い勝手のいいものにブラッシュアップして下さい。講義の内容を忘れたら、バイブルを読んで下さい。そして、是非自分のものにして下さい。

 こんなコメントもありました。

 「この変革の時代に経営陣は、“考えて行動しろ”と言っているが、中身がなく成果主義でしか評価しない。今までの勘と経験で物事を図ることがあり、ぜひそのような立場への研修をお願いしたい。変化しないのは言っている本人のような気がします。」

 多分、今回研修を受けた方の中にも、同様の思いをお持ちの方が多数いらっしゃるのではないでしょうか。

 精神論、ガンバリズムだけの時代はもう終わりました。そんなことでは、若い人はついてきてくれません。 「おまえを信頼しているから任せているんだ!」も、「どうすればいいのか自分には分からない」という劣等感の裏返しにすぎません。とても無責任な発言だと思います。 「俺の若い頃はなぁ」という自慢話もうっとうしい。あなたの若い頃とは時代が違うんです。

 マネージメントが部下を励まし、勇気づけることは大切です。愚痴や悩みも聞いてあげましょう。でも、同時に仕事の方法を筋道だててアドバイスする。それがこれからの経営者でありマネージメントだとおもいます。そういう時代なんです。

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 たちっぱなしのしゃべりっぱなしの二日間は、さすがに疲れました。フルマラソンを完走するより疲れました(笑)いや、熱心な皆さんに生気を吸い取られたのかも・・・

2008年5月20日火曜日

八ヶ岳 険し!

 野辺山ウルトラマラソンの最短42Km!走ってきました。結果は、「負け」です。我がパートナーに負けました(笑)。彼女は、4時間24分。女子42Km(70名参加)で6位入賞です。私はと言うと・・・4分遅れの4時間28分。

 ウルトラマラソンとは、フルマラソンよりも長距離を走るレースです。このレースは、42km以外に、71Km、100kmのレースがあり、総勢1700名が参加しました。

 5月18日(日)。明るくなり始めた5:00、野辺山の体育館前をスタート。気温7度。1700人が一斉にスタートです。さすがにウルトラだけあって、みんなそんなに飛ばしません。わたしもそのつもりでしたが、まあのんびりとキロ5分程度で舗装道路を7Kmほど走りました。

 そこから、砂利道の林道です。農地や牧場の横を八ヶ岳に向かって登ってゆきます。しかし、ここでリタイアの危機!前日、前祝いにと飲み過ぎ食べ過ぎで朝からしっかり胃もたれ。朝食もまともにできず。ちょっと○▼※気味で、お腹がぐりぐり、ちょっと差し込みも・・・まずい!トイレもなく、参りました。
 途中、牧場脇に森と渓流・・・ためらいつつもネイチャー・コールに逆らうことはできません。コースからは少しはずれて、森の中へ。せせらぎの音と小鳥の鳴き声、ほんとうにすがすがしいひとときを過ごしました。

 気持ちも身体もすっきり!よぉーし、7分ほどロスです。ネジを巻き直し、坂道を駆け上がりました。どんどん追い越し、一気に坂を登りました・・・が、やっぱり疲れました。

 エイド(給水や補給場所)は、4~5Km毎にきめ細かく配置され、水だけではなく、疲労回復のためのドリンク、イチゴ、バナナ、チョコレート、おにぎりなど、とても充実していました。普通のフルマラソンと違い、みんなのんびりとエイドで補給。ぎらぎらの緊張感はありません。
 そこで一服。気持ちを切り替えて出発です。約20Kmぐらいでしょうか。最高点1903mを通過。1300mからのスタートですから、600mを登ってきたことになります。2時間8分ぐらいでしょうか。実は、時計はもうあまり気にしなくなっていました。 そこからは、ちょっとアップダウンもありましたが、砂利道の下りです。スピードはOK。でも砂利が足にたたきつけられ、足の裏が痛い。足下も砂利とわだちで不安定で、結構神経を使いました。でも、疾走!一番気持ちよく走れた区間だったもしれません。何十人もごぼう抜きでした。

 ただ、右膝に痛み。心配していた爆弾が・・・でも、仕方ない。走っているうちに収まるだろうと、姿勢を意識しながら走り続けました。

 次のエイドで一休み。身体が乗っています。僅かな休憩で、今度は舗装道路を下りました。ここでも快調です。でも、さすがに疲れました。途中の登りは、もう足が出ません。膝も痛い。

 ちょっと気合い入れすぎました。半分は歩いてしまいました。このあたりで、彼女に追いつかれてしまいました。

 さらに上り下りを繰り返しながら、稲子湯に向かう登りです。ここで、「がんばってね!」と私が彼女に声をかけて、彼女は「ジャ~ね」と登ってきます(笑)。ここの登りがきつかった。止まりはしませんでしたが、走ったり歩いたりの繰り返しです。35Kmの稲子湯。先に到着していた彼女と再び合流し、私は一休み。彼女は「じゃあね」スタートしてゆきました。

 さあ、あと7Km。エ~イと気合いを入れ直し。しかし、まだ登りが続きます。きつかった!とにかく何とか登り切って、いよいよ一本調子の下り。得意の下りです!最後の疾走、約4Km。重力に重心を預け、足が勝手に動いてゆく。そんな感覚を意識しながらの下りは、とても気持ちよかった。登りで抜かれた人たちをどんどん抜き返し、後2Kmの表示。エイドも有りましたが、身体が動いていたので、そのまま走りきりました。

 途中、心配していた右膝にピキーンと激痛!まずい!でも、もうあと少し。膝に負担のない正しい走りをと意識しながら走りました。

 ゴールでは彼女か涼しい顔で「お疲れ~!」の声援。嬉しいような、恥ずかしいような・・・

 気持ちよく、ゴール。「サイトウさん、ゴールです。お疲れ様!」とアナウンス。アア、終わった!

 レース構成は失敗です。前日の飲み過ぎ食べ過ぎ、レース前から負けていました。反省しきりです。ただ、本当にすばらしい自然の中で、すばらしい景色を楽しみながらのレースは、格別のものがありました。

 42Kmのゴールは、「八峰の湯(ヤッホーのゆ)」。ゆっくり温泉につかり、汗を流して一路スタート地点の野辺山へ。途中、71Kmや100Kmを走る人たちをバスで追い越してゆきました。彼らにはまだこれから長い道のりが待っています。42Kmで本当に良かった・・・でも、来年は71Kmも走ってみたい・・・かも。

 楽しい休日を過ごすことができました。

2008年5月16日金曜日

売り込みからではなく、聞き込みからはじめる

 ある大学発ベンチャー企業の社長からこんなご相談を受けたことがある。
 「最近は新聞や雑誌に紹介され、お問い合せも増えています。でも、なかなか商談が成立しないんですが、どうしてでしょうか?」

 説明を聞くと、技術のすばらしさについて、あふれんばかりの自信とともに、とうとうと話をする。確かにすばらしい技術である。こんな技術は他にはないという。特許もしっかり押さえている。でも、なかなか売れないと頭を抱えている。

 こんな質問をしてみた。「ところで、この技術を使うことで、お客様の業務がどのように変わるのでしょうか?」「これはいくらで販売されるのですか?」「商品構成は?」・・・どれも的確な答えは返ってこない。それは、買ってくれる人に考えて欲しいという。技術のシーズ(種)は提供するから、それをどのように使い、いくらで買うかについて、お客様から示して欲しいという。つまり、ニーズ(何が欲しいか、どのように使いたいか)は、お金を払う側が考えて提示して欲しいという。

 これではビジネスにはならない。こちらが伝えたいことを語るのではなく、お客様が知りたいことを伝えなければ、「すばらしいお話を伺いました!いい勉強をさせて頂きました。ありがとうございました。」で、終わりである。それ以上話が進まないのは当然。「技術はあるが、商品はない」の典型だ。

 これほど極端ではなくても、このような話はIT業界にもある。ある会社の営業が新製品の話をお客様にする。価格も安く、機能も画期的で、他社の追従を許さないすばらしい製品である。是非買って欲しいとお願いする。
  確かに優れた商品かもしれない。しかし、お客様の立場からすれば、ここまでの機能は必要ない。もっと安価にできる方法もあるかもしれない。お客様の課題は?購入判断の基準は?結果としてどうなりたいのか・・・などのニーズを聞き出す。だったらこの製品をこのように使えば、こういう結果になりますと答えなければ話はここで終わってしまう。
 「商品はあるが、ソリューションはない」とは、このようなことを言う。

 「売り込みからではなく、聞き込みからはじめる。」それが、営業の仕事のスタート・ポイントだ。

 

2008年5月14日水曜日

方針あって施策なし!

 先日、ある展示会での出来事。お手伝いさせて頂いているベンチャー企業の製品説明を行った。20分ほどのプレゼンテーションが終了し、50歳前後の男性がわたしのそばにやってきて、「プレゼンテーションの資料を頂けないか?」とのこと。 世間の認知が低いベンチャー企業にとって、このようなご相談は貴重なビジネスのきっけ。もちろん快諾した。さて、どんなところに関心を持ったのか、どんな会社の方なのか、どのようにこの製品を使いたいのか・・・営業としての触手が動く。

 ところが、彼の答えは意外なものだった。「実は、最近、研究開発部門から営業に転属になり、どのように仕事をすればいいのか、悩んでいるんです。あなたのプレゼンテーションを拝見して、今後のお客様への資料作成やプレゼンテーションの参考にさせて頂きたいと思いまして・・・」とのこと。製品には全く興味はなく、説明資料の作り方とプレゼンテーションのテクニックに興味があったとのこと。なんとも、微妙な心持ちになった。

 確かに、このような境遇の方は多いのかもしれない。以前、大手通信キャリアの子会社で仕事をさせて頂いたことがある。「営業力を強化しなければならない」とのトップ方針もあり、研究所やシステム開発部門の方が、どんどん営業へと配置転換となった。 もともとこの会社は、親会社からの売上が全体の8割を占めている。しかし、親会社の緊縮、グループ以外からの調達拡大の方針が示され、グループ以外の売上を拡大しなければ、会社として成り立たない。そんなことが、この方針の背景にある。

 しかし、人を増やしたからといって、営業力がにわかに強化されるわけがない。一方で、予算の必達が求められる。どうすればいいのかという方策が見えない。上司や経営トップの叱咤激励はあっても、具体的な施策や手段の提示はない。当然士気は下がる。営業計画も見るべきものはない。できそうもない「可能性のある案件」がいくつも書き出されている。よく見ると手堅いものは、結局は親会社がらみの案件のみ。

 「まあ仕方ありませんよ。うちの会社はいつもそうですから・・・」と言う空気がこの会社には漂っていた。給与も保証されているし、とりあえず生活には困らない。予算達成できなくても、責任はとらされない。トップが何とかしてくれるだろう。親会社が何とかしてくれるだろう・・・ 
 彼らが暇なわけではない。遅くまで忙しく仕事をしている。でも業績が伸びているわけではない。

 わたしは、「営業力は、生まれ持った才能ではなく、スキル(技能)である。」と申し上げている。もちろんセンスや才能は有った方がいいが、そんなものは人それぞれで、何をもって「営業センス」と定義すべきかは、実はとても曖昧なものだと思っている。それよりも、営業として行うべき仕事の段取りや手順、そのこなし方を心得、要領よく仕事をこなすスキルこそ、必要なことだろうと思っている。

 「仕方がない」は、すべての進歩を止めてしまう。前職でそうであったなら新たな職場でもスキルを身につければいい。その気持ちが大切だ。スキルは才能ではなく技能であるから、学ぶことができる。営業畑にずっといる人たち比べ、技術や開発の才は、むしろ強みであり武器になる。

 経営者は、この事実に気付いて欲しい。目標と方針を示は示すが、具体的なスキル育成を図らない。そして、仕事のやり方や技能は部下一人ひとりの自助努力にゆだねる。
 これでは苦行であり、業績も伸びるはずがない。現実的な施策を示さなくてはならない。そして、それを実行できるスキルを育て、定着させてゆく方策を合わせて実行しなければ、目標や方針は何ら実効を伴わない。

 このような現実を抱えている企業は少なくないようだ。展示会で相談に来られた方もまたそうである。かれは、個人として何とかしなくてはとの強い危機感を持たれていた。だからこそ、ちょっと非常識とも思える行動を取られたのだろう。 彼の思いや行動には共感できる。しかし、本来、これは組織の問題である。なんら施策がないままに方針だけを示しても、部下は迷い苦しむだけだ。それが分かっていない経営者では困る。

2008年5月11日日曜日

開講!ソリューション営業プロフェッショナル養成講座

 前回の練習から、中4日の休みを取って久々に走った。いつもなら2日開けることは希だが、2週間前に痛めた膝も心配だったし、仕事も忙しい。天気も悪い・・・などなどもろもろの言い訳を重ねつつ、走らなかった。でもさすがに、来週は野辺山高原マラソンで42Kmを走る。何もしないわけにはゆかない。レース前の最後のスピード練習のつもりで、16Kmを1時間12分/キロ4分30秒ペースで走った。小雨の中、時折雨脚が強くなったが、おかげで適度に身体を冷やしてくれて、快適に走ることができた。

 いつもそうだが、走り出すまでの準備は面倒でおっくうだ。しかし、走り始めれば、今日の練習の戦略を立て、身体と相談しながらそれを実践する。今日は、野辺山のレース前の最後の確認練習。最初からスピードを上げ、筋肉に乳酸を注入して、疲労度を高めながら、どれだけペースを維持できるかを確かめることにした。結果は悪くない。スピードは、まあまあ。ただ、ここのところの走り込み不足で、スタミナをどれだけ持続できるかが不安だ。しかし、泣いても笑っても1週間。あとは、知力と気力で体力をカバーする。それしかないようだ。


 さて、近々「ソリューション営業プロフェッショナル養成講座」なるものを開講する。IBMのOBが作った研修サービス会社「株式会社アイセス」が運営を引き受けてくれた。
 実は、以前から自分なりに「ソリューション営業」のノウハウやスキルを体系的に整理して、本にまとめようと書き始めていた。というのも、いままでおつきあいした多くのITベンダーやベンチャー企業が、せっかくすばらしいものを持っていても、それをお客様にうまく伝え、ビジネスとして仕立て上げるスキルの未熟さを実感していたからである。そんな人たちにソリューション営業のノウハウを整理して伝えたいと思っていた。単なる精神論や理論ではなく、実践的なマニュアルにして、具体的な手段を提供したい。
 私は、「営業力とは、スキルである」と考えている。営業の善し悪しは、生まれ持ったセンスや性格で決まるという人もいる。しかし、私はセンスは有った方がいいが、なくても困らないと思っている。それを始めて実感したのは、大学を卒業して英会話の教材を販売する会社に勤めたときだ。愛想も悪く、人相も悪い。しかし、ひたすら電話をかけ続け、アポイントメントをとり、確実に売上げを伸ばしている人がいた。電話の説明も的確だ。見込みがないと思ったら、即座に電話を切って次にかける。潔く、無駄がない。

 自分は、しゃべりはうまい方だと思っていた。人当たりも良く、愛想もいい。一見すれば、間違えなく営業に向いているのは、彼よりも私だと言うだろう。しかし、彼の営業成績には遠く及ばなかった。
 IBMに入社しても、何でこんな人が営業をやっているのかと思う人がいた。しかし、かれは抜群の営業成績を上げている。優秀な営業は見かけでは分からない。 
 彼らに共通していることは、仕事に無駄がないということ。きちんと先を見通し、今何をしなければならないかをわきまえて行動している。実に知的である。気力や精神力も有るだろうが、それ以上に合理的な行動に裏打ちされている。

 暗黙知であり、経験知である。これを形式知に変える。そんなことをやってみたいと思っていた。そうすれば、多くの企業が、自社の製品やノウハウのすばらしさをうまく伝えられる。そして世の中はもっと豊かになり、便利になり、進化する。営業という仕事は本当に面白い。そう実感してもらえる。そんなことをやってみたいと思っていた。

 横道にそれてしまったが、そんな想いから本を書こうと思い立った。しかし、別に出版社が決まっているわけでもなく、期限もないまま中途半端なままになっていた。
 そんな折り、アイセスの会長をしているIBM時代の元上司、加藤さんに話しをしたら、研修としてサービスを提供しないかとのお誘い。ありがたくお引き受けした。そして、これを機会に本を書き上げることにした。タイトルは、「ソリューション営業プロフェッショナル・バイブル」。少々奢ったタイトルだが、私の心意気と思ってご容赦頂きたい。一般のビジネス書にすれば200ページほどになる。今回は、簡易製本でページ当たりの文字数も多め。そのため、110ページほどの冊子ができあがる予定だ。



 さらに、今までやってきた研修や講演の資料を整理し、研修教材を書き上げた。今までやろうやろうと思っていたことをこの機会に一気に形にすることができた。本当にありがたい。
 5月27日、28日の両日が、最初の講座となる。20数名が参加予定。以降、毎月1回程度開催される。書き上げた本は、まずは自費出版。受講者にお配りして、ご批判を仰ぐつもりだ。
 研修には、第一線で活躍しているIT営業のみなさんが参加する。果たして営業のプロたちにどう受け止めて頂けるだろうか。不安でもあり、楽しみでもある。




 

2008年5月10日土曜日

三日坊主を越えられるか?マラソンで再起のきっかけを!

 ブログを始めたのはいいが、ひとつひとつに時間をかけすぎてしまったようだ。三日坊主。ということで、もっと肩の力を抜き、再起を期すこととした。だから、今回は仕事を離れて趣味の話し。

 ランニング。走り始めて1年3が月ほどが過ぎた。最初は、300m走ることさえ苦しかった。1kmなんて“ありえない”。そんな私が、今では、月間200kmほど走っている。

 この間の変化は劇的だ。77Kgあった体重が、今では65-66Kg。体脂肪率は、31%から16%、体内年齢は、53歳から26歳。別にこんな結果を狙ったわけでもなければ、想像もしていなかった。気がついたらそうなっていました・・・と言うことに過ぎない。でも、こうやって書き出してみると、確かにすごいことだと思う。

 ランニングと言っても、ゆっくり、のんびりのジョギングではない。マラソンでタイムを狙って走ることだ。「同じじゃないの?」と思われる方も多いだろうが、これが全然違う。
 「完走するマラソン」と「タイムを狙うマラソン」。これは、やってることは一見同じようだが、まったく違うスポーツだと思う。練習の方法も違えば、走り方も違う。
 ちなみに、私のフルマラソンの自己ベストは、3時間24分3秒。先日行われた千葉県の佐倉マラソンでの記録。苦々しい失敗レースの後の自己ベスト更新。本当に嬉しかった。
 当然、次はもっと上を狙いたい。そう思っている。

 実は狙っているのはタイムだけではない。もっと長距離を走る。これもチャレンジしてみたい。
 フルマラソンは、42.195kmだけど、実はその上がある。100Km、24時間走、スパルタスロン(243km)・・・。ちなみに「24時間走」なる競技、眠らずに走り続ける。国内トップは、258kmを走る。フルマラソン以上の距離をはしるこのようなレースをウルトラマラソンという。

 残念ながら、この世界にチャレンジするには、体力も気力も未だ不十分。でも、いずれ関わってみたいと思っている。その前哨戦。来週行われる八ヶ岳の42km走。八ヶ岳の林道を走る林間コース。急な登り下りを走るこのレースは、100km/75km/42kmとあり、私はその最短を走る。

 なぜ、こんなことにはまってしまったのか。自分でも不思議に思う。ただ、ひとつ分かっていること。それは、マラソンという競技が、実に知的なおもしろさがあると言うことだ。意外に思われる方もいるかもしれないが、マラソンは体力だけではレースにはならない。42.195kmというコースで起こる様々な事態を事前予測し、そのための対策を走りながら確実にこなしてゆく。
 足も痛くなれば、筋肉も疲れる。エネルギーも不足するし、汗と共に電解質も排泄され、身体に様々な変化が起きる。どの時点でどんな状態になるのか。それをある程度想定して、事前の対策を確実にこなす。これができなければ、レースはうまく走れない。

 「4時間近くも何考えて走っているんですか?あきませんか?」と聞かれることがある。冗談じゃない。考えることが一杯ありすぎて、身体だけではなく、頭も相当に疲れる。体力が消耗してくると、ますます頭の回転が衰える。簡単な計算さえもできなくなる。まさに「知的消耗戦」である。

 例えば、42.195Kmを3時間30分で走るためには、キロ5分を維持しなければならない。レースという晴れ舞台の高揚感、スタート時、みんな、一斉に勢いで飛び出す。最初だから身体も軽い。ついつい「今日は特別かも・・・?」などと考えてしまう。筋肉はもっと速く走っていいよと脳にささやく。しかし、この甘言に惑わされ、ついついスピードを上げてしまうと後で、スタミナが持たない。練習で、おおよその自分の実力というものは分かる。所詮それ以上の実力はない。レースの奇跡などありえない。やっただけのことしかできない。それがマラソンだと思う。
 そんなこと分かっているのに、ついキロ5分をキロ4分50秒にアップする。たった10秒と思われるだろうが、フルマラソンの距離に換算すると実に7分速くなる。3時間30分が3時間23分。これは、相当なスピードアップであり、身体への負担はまったく違う。ここを計画通りに徹底的にコントロールしなければ、レースは失敗する。

 補給も大切だ。フルマラソンを走りきると体重60Kgの人で4300kcalを消費する。おにぎりに換算すれば、20個近い。当然、走りながらそんなに沢山食べられないから、体内のグリコーゲンや脂肪をうまく使わなくてはならない。そのためには、サプリメントをうまく使って燃焼を促すことも必要になる。それでも足りないカロリーは補給が必要だ。ならば甘いもの!とゆきたいところだが、それは必ずしもよろしくない。甘すぎるものを一気に口にすると、インスリンが分泌され血糖値が下がる。そうすると、筋肉への糖分の供給がうまくゆかなくなる。どのタイミングで、何をどの程度補給すればいいのか。

 とにかく、レース中は本当に忙しい。ただがむしゃらに走っているだけでは、いいタイムはでない。歳をとり、体力も若者のようにはゆかない。だからこそ、知力がますます大切になる。まさにマラソンは、知的ゲームである。

 今は、雨が降っている。先週膝を痛め、今週は仕事が忙しく、ここのところ満足な距離を走ることができていない。
 走ることで、自分の筋肉や脳みそと会話をする。そして、今の様子はどうかと問いかける。それには十分な会話の時間=距離が必要だが、それができていない。来週レースだと言うのに・・・

 さて、また長文となってしまった。仕方がない。これが、my style なんだろうな。さて、続けられるだろうか。これもまた、チャレンジですね。